ヘクサウァ王国
ゴール王国、 ノイエ・ドラゴニア帝国、 レムラ共和国、 といった大国に囲まれる位置に存在する小国。 首都はヘルベティア。
山脈に囲まれた高地に、 大国の支配下に置かれたりしながらも 1500 年の長きに渡って存続してきた。
その長い歴史を経た古代の魔法の技を今に伝え、 魔法に関しては周辺地域で最も高い技術と普及度を誇る。 一般レベルにまで浸透するほど魔法が盛んな様から、 魔法王国とも呼ばれる。
古くから伝わる宗教観、世界観を頑なに守り続け、 エール教に染まった他国に対して排他的な雰囲気を漂わせる。 住人は一般的に、 自国が古い歴史を持つことに誇りを持ち、 またその国に生まれた自分たちに対して強い選民意識があり、 他国を成り上がりの新参者であると見下している。
七星魔術
ヘクサウァで栄える、古代から伝わる魔術。
彼ら曰く星 (火水木月太金土の7つ) の力を宿すことで、 魔力の込められた道具、魔器を作成・使用する技術である。
七星魔術による魔器職人は尊敬される職業であり、 国によって手厚く保護されている。
ヘクサウァでは日々、魔器が生産され、 低レベルの物ならば庶民でも入手できないこともないくらいにはありふれている。 これらは重要な輸出品目でもあるが、 その取り扱いは厳重に管理されている。
一部の噂では、 王宮では数百年かけて魔力を込める伝説級の魔器も作成されているという。
魔法騎士団
ヘクサウァ生まれの優秀な者のみで構成された魔法騎士団。
特徴的なのは、構成員の外見や能力がバラバラで統一感に欠けることと、 常時団員の半数は国外にいることである。
実のところ彼らの真の役割は戦争で先陣切って戦うことになく、 諜報員兼工作員として各地に出向くことにある。 普段は冒険者などヤクザな職業の者を装い各地を旅し、 あるいは他国で何らかの職業を持って定住し、 情報収集を行う。 そしてひとたび命令があれば工作員と化し、 その能力を発揮しての活動を始めるのだ。
魔法騎士団の名を冠するだけあって魔術の心得がある団員が多いが、 必須というわけではなく、使える者は半数ほどである。 ただ魔法が使えない者でも、魔器の所持者であることが普通である。
装備品に決まり等は一切なく、 各々が自身の裁量で選ぶ。 そのため、騎士団が集合しても統一性などは全くなく、 てんでバラバラの外見となっている。 重厚な武具を身に纏う他国の兵士を馬鹿にする風潮があるヘクサウァであるが、 魔法騎士団に関しては例外であり、 重装備の者でも一定の敬意と理解が得られている。
身分の低い者でも能力さえあれば取り立てられるため、 下層階級の者にとってはまさに憧れの的である。
武具
へクサウァで使用される武具は、その多くが魔器である。
魔器として作られた武具は通常の物より性能が高く、 小型・軽量でも十分な性能を持っている。 そのためか、 一般に出回っている武具も兵士に支給される武具も軽量の物ばかりであり、 重い武具はむしろ敬遠される風潮すらある。
また、そんな気風が反映されたヘクサウァ独特の武器として、 細剣がある。 名前の通り細身で鋭い刃を持ったそれは、 魔器であるからこそ折れずに使えるという代物である。 基本的にはヘクサウァにしかない武器だが、近年では、 新技術である鋼によって作られた細剣が他国でも出回っている。
フェンス
ヘクサウァに伝わる独特の剣技。
特産の細剣を用い、素早く正確に変幻自在の軌跡を生み出す。 パワーに欠けるきらいはあるが、相手を惑わし、一瞬の隙をついて急所を貫く。 ヘクサウァで使われる軽量の武装を最大限に活かすように発達した剣技。
軽量の武装を活かせることと強い腕力を要求しないことから、 護身術として広まっている。 ただし、一般に知られているのはあくまでも基本的な部分であり、 その多彩な技の真髄をヘクサウァの外で学ぶことは難しい。